子どもが不登校になる原因とは?NG行動や解決策について解説

子どもがずっと学校に行っておらず不登校になってしまった、と悩む親御さんは少なくありません。

不登校になってしまった子どもが心配で、一緒にいるために仕事をセーブしたり辞めてしまったり、あれこれとしてあげているのに現状は変えられない。

子どもと原因を話し合うこともできず、誰にも相談できなくて辛い思いをする。

そんな状況に陥ってしまっていると、どうすればこの状況から抜け出せるのかわからず苦しい思いをしてしまうものです。

そこで、この記事ではなぜ不登校になってしまうのかを知りたいという方のために、不登校になる原因とその解決策を詳しく解説します。

この記事を書いた人

夫、息子2人、娘1人の5人家族。子ども2人が同時期に不登校になりながらも、育てた上げた経験を元に神戸観塾を開校。

3人目の子育てには干渉しすぎないよう、専業主婦を卒業し、20年ぶりに社会復帰。

大手個別指導の塾でアルバイトを始める。塾講師の仕事に3年ほど就きました。

年間で延べ50人くらいの子どもたちを担当させてもらい、子どもの育ち方の違いを肌で感じました。

それらの経験を元に現在は不登校の支援サポートをしています。

目次

なぜ、不登校になってしまうのか?不登校になる原因

「我が子が不登校になってしまった」と悩む親御さんのなかには、原因について見当もつかないという人もいます。

原因を誤って認識した状態で子どもに向き合ってしまうと、誤った対処法をしてしまい状況がこじれる可能性もあります。

では、子どもが不登校になる原因とはどのようなものがあるのか詳しく見てみましょう。

いじめ

子どもが不登校になってしまう原因の一つに『いじめ』が挙げられます。

直接的な暴力や無視など、精神的ストレスや身体的苦痛を与えられ続けて、学校に行くのに恐怖を覚えて不登校になる児童は少なくありません。

文部科学省の調査では、いじめの発生件数は増加しているものの、小学校児童の直接的な不登校の要因として、いじめが占める割合は0.3%と少ない数値となっています。

しかし、実際にいじめを受けて不登校になった子どもからすると、その恐怖は拭いされないものです。

また、いじめと認知されていなかったり発覚していなかったりするいじめ行為というのも、確実に存在します。

悪口で傷ついた

いじめとは言い切れない悪口もまた、不登校の原因となり得ます。

言った本人はいじめとは認識していない軽い気持ちで言ったことでも、受け取る側からするといじめと捉えてしまってもおかしくはありません。

傷つけるつもりはなくとも、言われた方が傷ついてしまった場合も不登校の要因に十分なり得てしまうものです。

集団生活が苦手

不登校の原因に子ども自身の性格というものもあります。

特に集団生活が苦手で、集団での行動をするのが嫌だから、という理由から学校に行かなくなり、そのまま不登校になってしまう場合もあります。

学校の先生や校風と合わない

子どもが不登校になる原因として、担任の先生と合わないということも挙げられます。

先生が合わないと感じる理由として、

  • 先生が怖い
  • 話を聞いてくれない
  • ほかの児童ばかり贔屓している
  • 先生に好かれていない気がする
  • 一方的に指導される
  • 見た目や話し方が合わない

これらの要因から先生に対して不信感を覚えてしまう子どもというのは多いものです。

また、学校自体の校風が合わず、通うのが苦痛になってしまう子どもも少なくありません。

部活動の人間関係

部活動をするようになってから、部内の人間関係によって不登校になってしまう児童もいます。

先輩から自分だけが厳しくされたり、顧問の先生がほかの生徒ばかり気にかけていたりと理由はさまざまです。

さまざまな理由があるなかでも、レギュラー争いやポジション争い、チーム同士のいざこざなどで人間関係がこじれてしまったときに、ストレスを溜め込み精神的に不安定になってしまう場合が多く見られます。

同級生のなかで早くレギュラーになってしまうと、羨みや嫉妬からいじめに発展する場合も少なくありません。

学校のペースについていけない

学校の授業ペースについていけない子どもも不登校になる場合があります。

  • 授業についていけない
  • 友達に追いつけない
  • 課題がこなせない

このように、自分が周りに比べて劣っていると感じたとき、子どもは罪悪感を覚えて学校に行くのが苦痛になるものです。

そして、学校を休みがちになるとさらに差が開いてしまうのを実感し、なおさら学校には行けなくなってしまいます。

家庭環境が悪い

不登校となる背景には家庭環境の悪さや急激な変化という原因もあります。

不登校に繋がる家庭環境は主に、

  • 両親の別居
  • 両親の離婚
  • 身近な人が亡くなった
  • 親子関係がこじれた
  • 家庭内の不和

以上の項目が挙げられます。

両親の別居や離婚など、子どもが望まない家庭の変化が起きたときにストレスがかかり、学校に行けない無気力状態になってしまう。

または、好きだった近親者が亡くなってしまうという強いストレスがかかる環境も大きな要因になります。

親と子どもでコミュニケーションがうまく取れず、仲がこじれてしまう場合もあります。

思春期でどう接したらよいのかわからない親御さんも多いでしょうし、子どもとどう関わればいいのか悩むのは自然なことです。

しかし、心配から過干渉になってしまったり興味を示せなくなったりというのが積み重なり、子どもに悪影響及ぼす可能性は少なくありません。

家庭内の不和も大きな不登校の大きな原因となります。

両親や祖父母の仲が悪かったり兄弟間の仲も悪かったり、または虐待やネグレクトを受けていたりなどをしていると、家庭内が安心できる場所ではないと考えてしまう。

そして、学校に行く気力がなくなってしまう悪循環が生まれます。

受験に落ちて仕方なく第二希望校に行った影響

中学・高校受験に落ちてしまい、仕方なく受けた第二希望校に通うことになった場合も、不登校になる可能性があります。

そもそもが不本意な入学だったという背景もあってか、学校へ行きたくない気持ちが積もって行き、気が付けば無気力になって学校に行けなくなったというケースは、実は多く見られます。

発達障害

ASD(自閉症スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)をはじめ、独自のこだわりの強さや感覚花瓶を持つ、いわゆる発達障害の子どもも不登校になりやすいと言えるでしょう。

発達障害があると集団行動が困難になる場合も多く、学校に行くと極度の緊張状態になったり疲れてしまったりで、通うのが辛いと感じるようになります。

また、発達障害を持っている場合、それぞれの症状に合わせた支援が必要になるものですが、発達障害と気付かずにいて対応が遅れ、不登校になってしまうというパターンも少なくありません。

私が過去にサポートした方でこんなお子さんがいました

発達障害があったり集団行動が苦手だったり、学校そのものが合わなかったりと子どもが不登校になる原因は実にさまざまです。

不登校は原因が一つとは限りませんし、対策を間違ってしまうと逆効果になりかねません。

過去にサポートした方の仲にはこんなお子さんがいました。

いじめが原因で学校に行けなくなった中学生で、このケースでは学校へ復帰するのが難しい段階まで追い詰められてしまいました。

いじめに対しての学校側の対応はとても悪く、ずっと放置されてしまっていました。

さらに、学校側の対応以外にも良くなかった点が、親御さんの対応です。

親御さんもいじめ問題に対して積極的に動こうとはせず、半ば放置状態でした。

その状況で先生が家庭訪問をしましたが、子どもを不安にさせるだけで逆効果にしかなりません。

このように、学校によっても対応は異なりますが、放置されてしまうというのは子どもに良い影響は与えませんし、時が経つほどに登校が困難になっていきます。

不登校になった際にやってはいけないNG行動

前述したように、不登校になってしまった子どもに対してやっては行けないNG行動というのは存在します。

では、不登校になった際にどのようなことを避けたらよいのか、詳しく解説します。

親が不登校を解決しようと動きすぎる

不登校になってしまった場合、親が反応しすぎるのはNGです。

子どもに対して過保護な親御さんは、心配な気持ちが強すぎてなにかと子どもの面倒を見ようとします。

結果として、子どもが甘えてしまい、家の居心地が良いと感じ、学校に行きたがらなくなってしまいます。

親が意見を言いすぎる

不登校になってしまった子どもに対し、親があれこれと言いすぎるのも良くありません。

親御酸の意見を言いすぎると、子どもにとっては親の答えがベースになってしまうため不登校の解決には繋がりにくくなります。

この場合は、ただ子どもの話を辛抱強く聞いてあげる方が良いでしょう。

転校や受験で違う学校に行く

転校したり受験して違う学校に行くというのも、NGとまではいきませんが根本的な解決とも言えません。

過去にあった事例で、いじめっ子と離れれば問題は解決すると思っていたものの、ほかの学校に行っても結局いじめにあって不登校になってしまったケースもあります。

根本的な解決を親御さん自体が見えていないのが大きな問題

不登校を解決する方法も、原因と同じくらいさまざまあります。

しかし多くの場合、親御さんの焦りから対処を間違ってしまうというパターンがほとんどです。

親御さんが「こうしてあげたらいいんじゃないか」「こうしたら解決するはず」と思ってあれこれ行動してしまったがために、不登校をこじらせてしまう結果に繋がります。

不登校になった際に行うべき対策とは?

不登校になった子どもに対するNGは、基本的に親が解決しようと動きすぎるのが大きな問題と述べました。

では、実際どのように動けばいいのかわからないという人は多いでしょう。

ここからは、不登校になった際に行うべき対策について、具体的にお伝えします。

子ども自身に答えを見つけてもらう

不登校を解決する場合、最も重要なのは子どもの意向です。

子ども自身がどうしたいのか、学校に行きたいのかを子どもが自ら考えられる環境を作る必要があります。

この場合の親御さんの対処法として、ただただ話を聞くというのが挙げられます。

子どもが自分から「学校に行きたい」と言うまで見守り続ける忍耐が必要です。

カウンセリングを行う

カウンセリングを行うのも有効な手段です。

「どういう気持ちになった?」とヒヤリングを行い、性格診断を活用して、子どもの人となりを詳しく把握。

そして、「学校に戻るにはどうしたら良いかな?」と子どもから聞き出して行くと、子ども自身の気持ちで応えようとしてくれます。

いじめが原因の場合は無理に登校させない

学校の先生といじめた側の親御さんの双方と話し合いも並行して行いましょう。

相手がいじめていたという認識を持っていない可能性もあります。

事実確認を行い、いじめがあった場合にそれぞれがどう対処して行けば良いのかをしっかり話し合う必要があります。

不登校支援団体に相談する

不登校で悩む子どもや親御さんは非常に多く、それぞれが「私がなんとかしないと」と動いてしまってこじれるケースは後を絶ちません。

前述した通り、その状態では客観的に現状を認識できなくなります。

それを解決するためには、不登校支援団体という第三者に相談するのが一つの有効な手段と言えるでしょう。

こういった団体は全国各地に存在します。

不登校の専門学校を活用すれば、不登校の生徒に合わせた授業が受けられたり、授業時間を調整したりといった、不登校に配慮したカリキュラムが受けられる場合があります。

また、不登校特例校という学校も全国各地に設置されているのでチェックしてみるのをおすすめします。

そのほか、民間のフリースクールやオンライン家庭教師などを活用して出席扱いにしてくれる『出席扱い制度』というものもあるので、教育委員会や学校に相談して見るのも有効な手段です。

専門家に相談する

専門家に相談して子どもごとの最適解を提示して貰うという方法もおすすめです。

専門家は、子どもと直に接してくれて、状況に合わせて解決方法を挙げてくれるというメリットがあります。

学校と連携を取る

学校と連携して転校を進めていくのも有効です。

しかし、経済的に難しい場合もあるので、いじめっ子と違うクラスにするよう交渉する方法もあります。

場合によっては学区外への転校も視野に入れましょう。

コーチングを行いつつ解決に導くことも大事?

ここまで、さまざまな解決策をお伝えしてきましたが、子どもの状況や性格によっても解決方法は大きく異なります。

私はコーチングのアプローチを大事にしています。

親御さんが子どもを動かすよりも、コーチングによって子どもが将来どうなってほしいのかという目標を立てて、判断基準を明確にしていく必要があると考えています。

コーチングをしながら、今回紹介した解決方法のなかで、不登校という立場になり苦しんでいる子どもに最適な方法を導く。

そういった、子どもを最優先にした解決策やアプローチこそが大事だと思っていますし、私はそれを大事にしています。

まとめ

この記事では、不登校についてさまざまなことをお伝えしてきました。

  • 不登校になる原因
  • 不登校になった場合のNG行動
  • 不登校になった際に行う対策

一つのことが原因で不登校になるとは限りませんし、不登校になってからの対処を間違えれば余計にこじれてしまいます。

しかし、対処法を間違えなければ不登校は解決できる問題です。

とはいえ、最終的には親御さんが決断しなければならない為、どうしたらいいのか判断に迷いますよね?

なのでまずは簡単にできる声がけから始めてみてください!

無料の声掛けガイドブックを記事下に配置してありますので、ぜひご活用くださいね。

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この記事を書いた人

夫、息子2人、娘1人の5人家族。子ども2人が同時期に不登校になりながらも、育てた上げた経験を元に神戸観塾を開校。

3人目の子育てには干渉しすぎないよう、専業主婦を卒業し、20年ぶりに社会復帰。大手個別指導の塾でアルバイトを始める。塾講師の仕事に3年ほど就きました。

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